開発の物語
作務衣の生地に先入観はありませんか?平織りを中心としたカッチリした生地のもの、デニム調のもの、着物の素材のようなもの、、、、。それぞれ長年愛されてきた「定番」の生地素材です。
当社ではその定番の素材に「蜂巣織り~はちすおり~」を加えてきました。その生地は見てのとおり、特殊な立体感があり、柔らかでもあり、腰があります。作務衣に使う素材としてはかなり異色の存在なのですが、現在では当社の品揃え中、一番の人気商品になりました。その秘密は何だったのでしょう、、、、?
作務衣は普通の洋服や和服、肌着と決定的に異なる着用のされ方をしています。それは「着用時間、機会が圧倒的に長く、多く、オールシーズン性が求められる」ことです。また「作務衣本来の作業着、普段着としての実用性」が要求されるのです。蜂巣織り作務衣さらには「職業、趣味、立場の兼ね合いで、同じ人が延々と同じ作務衣を必要としている」ことも他の衣料ではあり得ることではありません。それらの特有の条件を前に、メーカーである我々は商品の前に問いかけました。
「今までの作務衣はこれからも、これでよいのだろうか?」「作業着でもある作務衣が、本当に何万円もしたり、自宅で洗濯が出来ないのはいかがなものだろうか?」「お客様から何年も愛着をもってもらえるものとは?」「年中快適に過ごせる素材は無いか?」、、、等々、その疑問の投げかけは今なお尽きるものではありませんが、偶然作った一枚の作務衣から答えが聞こえてきました。
「この作務衣、いいよ!ウチはこれからずっとコレにしてよ。」職業柄毎日作務衣を使われる地元お客様から、この蜂巣織作務衣の時に声がかかりました。 メーカーである当社は、直接お客様の声を聞く機会は貴重なことなのです。 その時のお客様の言葉から、数多くのことを学びました。
「蜂巣織は夏場はサラっと、冬はふんわりと、肌触りがよいので、年中着られる。」「綿素材でありながら、洗ってもシワになりにくく、日常の手間が簡単」「生地の伸縮性があり、軽い」「高価でないので、同じ職場で揃えたり、洗い替えとして購入しやすい」我々はそれ以来、自信を持って蜂巣織作務衣を「定番の作務衣」としてお勧めできるようになりました。
商品の作り手である我々にとって、改良に終わりはありません。「藍色の色落ち、綿の縮みへの対応として、製品仕上がり後で一度洗いの加工をする。」「パンツのシルエット、上着の丈など現代の平均体型に常に沿うよう、型紙を見直しする。」「SサイズやLL、3Lも要望があり、設定すべきでは?」「もっと深い藍色が出ないか?」「パンツのポケットは前の左右だけでなく、後にも一つ欲しい。」「より安く、早く、直接お客様へお届けできる環境が欲しい。」書き連ねれば枚挙に暇がありませんが、年数をかけて一つずつテーマを解決していき、今の「蜂巣織作務衣」に到達しました。
熟成された定番、一度お試しください。 そして、貴方の言葉をお寄せください。次世代の作務衣の開発の糧にしていきたいと思っています。